主なコーヒーの生産国

ブラシル

1727年、ブラジルのパラ州に北隣 のフランス領ギアナから初めて苗木が伝わった。別ルートで1760年インドからリオデジャネイロにも伝わり、1770年にはリオからサンパウロにも伝わった。以後生産量が急激に増加し、1850年には世界最大のコーヒー生産国となった。多くの国で生産されるようになった今でも、世界のコーヒー総生産量の三割以上を占める世界第一位の生産国。しかも米国に次いで世界第2位の消費国でもある。栽培されているのは主にアラビカ 種だが、国土が広大なため、栽培地の気候や土壌に合った多様なコーヒーが作られている。

コロンビア

かつてスペイン領であったコロンビアでコーヒーの栽培が始まったのは、18世紀後半。長い間世界第1位のコーヒー生産国であった。今世紀になってベトナ ムにその地位を譲っているが、国にとっては重要な産業である。高品質のアラビカ種の生産国として知られる。南米大陸の北端に位置し、カリブ海と太平洋の両方に面していて、赤道直下だが、国土の大半が山岳地帯なので、コーヒー栽培に適している。複雑な気候に合わせ、地域によって上質で多様なコーヒーが栽培されている。スペシャルティコーヒーの取り組みも積極的である。

ジャマイ力

カリブ海にあり、キューバの南に位置する島国で英連邦に属している。コーヒーは、同じカリブ海のフランス領マルティニーク島から、1728年に伝わった。 首都の北にあるブルーマウンテン山脈の中腹で栽培される。豆は大粒で均整がとれていて、味はバランスに優れ、風味豊かで、アラビカ種の最高級品、ブルーマウンテンの名で知られている。この豆だけは、麻袋ではなく、樽に詰めて出荷されることでも有名。

ハワイ

今は米国の一州であるが、1900年までは独立国であった。その時代1825年にブラジルから初めて移植が試みられ、1818年栽培に成功した。最も知られている生産地は、首都のあるオアフ島ではなくハワイ島のフアラライ山の西麓コナ(風下の意)地区である。そのため ハワイコナの名で知られている。アラビカ種の大粒で平たい豆、さわやかな酸味、相橘系の香りが特長。

エチオピア

コーヒーの原産国で、現在も野生種が自生している。国の中央を北緯10度線 が通り、その南の高原地帯はコーヒー栽培の適地である。南部のシダモ、南西部のジンマ、東部のハラーが産地として有名。栽培されたアラビカ種は「モカ」の総称で輸出される。コーヒーが国の主要な輸出品であるが、生産量の3~4割は国内消費用であり、消費国でもある。コーヒー・セレモニー「カリオモン」の伝統は現代にも継承されていて、農園でも小さなカップに濃厚なコーヒーを注ぎ分けて飲む姿が見られる。家庭でのコーヒーの作り方も同じで、生豆を鍋で妙って、潰して粉にし、水から煮立て、粉を沈めて上澄みを飲む。砂糖だけでなく、塩やバター、香料を入れて飲むこともある。

ベトナム

1865年、西アフリカのカネフォラ種がフランスによって持ち込まれた。1990年代に入って生産量が急速に伸び、今日世界第2位のコーヒー生産国に成長した。近年アラビカ種にも力を入れているが、カネフォラ種に限れば生産量は世 界第1位となる。この国では深煎りし、粗めに挽いたコーヒーをあらかじめコ ンデンスミルクを入れたカップの上に載せたフィルターに入れ、湯を注ぎ、濃いコーヒーがゆっくりとしたたり落ちるのを待って、かき混ぜるという独特の方法で飲む。

インドネシア

オランダ人によるコーヒーの移植は1699年のこと。しかし、19世紀後半にサビ病の発生で壊滅的被害を受け、病害に強いカネフォラ種へ大転換した。第二次大戦以前は、世界第3位の生産量を誇ったが、大戦中に激減、戦後に復興した。現在では世界第4位の生産国である。「ジャワ・ロブスタ」は苦味に特長があり、ブレンドの際の好適品として名高い。アラビカ種も栽培されていて、スマトラ島の「マンデリン」、スラウェシ島の「トラジャ」などは評価が高い。ジャコウネコの糞から取れる希少な「コピ・ルアック」は話題を作ったが、人工飼育によって作られたものも出てきた。コーヒーの生産量の三割は国内消費用である。この国では細挽きのコーヒーの粉と砂糖をグラスに入れ、熱湯を注いで皿で蓋をし、粉が沈むのを待って飲む方法が一般的である。

グアテマラ

1750年スペインの修道士によって苗木が持ち込まれたとされている。国土の7割が高原地帯で、豊かな降雨量と肥沃な火山灰土壌が、コーヒーの栽培に適している。現在ラテンアメリカ第5位のコーヒー生産国である。国の産業として も最も重要な輸出品で、スペシャルティへの意欲も高い。アンティグア、フライハーネス、アティトラン、コバン、フエフエテナンゴなどの産地がある。しっかりした味わいとフルーティで芳酵な香りが特長で、ほかの豆との相性もよく、ストレートはもちろん、ブレンドの香り付けに使用されることも多い。

タンザニア

アフリカ中央部のインド洋に面した国で、北のケニアとの境にアフリカ最高峰キリマンジァロ山がある。その南麓で栽培されている。もとドイツ領で、第一次大戦後英国領となり、1961年に独立した。コーヒーは1877年、ドイツ領になる前に移植され、ドイ ツ統治下でプランテーション栽培が広がった。栽培されているのは主にアラビカ種で、酸味、甘味、コク、香りいずれも優れていて、キリマンジァロの名で知ら れる。ブレンドに使うと深みが増し、コクが出る。

ホンジュラス

カリブ海に面した中米のホンジュラスは、北緯15度線が国を横断し、高原地帯なので、コーヒー裁言に適している。世界の生産国の10指に入る。フルーティで酸味が柔らかく、バランスがとれていて、日本でも人気がある。殆どが手摘みで、スペシャルティコーヒーの生産にも熱心である。

参考資料「UCCコーヒー博物館」より